令和2年度 2学期終業式

公開日 2020年12月24日(Thu)

 24日(木),校内放送にて2学期終業式が行われました。

 校長式辞の内容です。

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 おはようございます。2学期の終業式を迎えることができました。今日も放送室から届けます。

 私は,印象に残っている「ことば」をメモしています。最初は,2001年9月12日,アメリカの「9.11」の次の日のメモですから,始めて20年になります。

 この1年くらいの中からいくつか紹介します。

 まず,坂井教授の去年Newsweek 20191210号に載った,「私が言っていることの意味がわからない人は、既存の言語では表現し切れないことが起こっているのだと思ってほしい。」ということばです。「わからないこと」をわからないと感じることができる感性の必要性と,わからないことの意味を見極める大切さを言っていると思います。新型コロナウイルスの影響は,まさしくその通りの状況かもしれません。わからないことに対して謙虚になり,知ったかぶりをせず,わからないこととして,みんなでいろいろなアイデアを出し合い考えることの大切さを伝えようとしていると思います。

 5月,部活動の大会がなくなっている時期に,陸上の為末大さんが,南日本新聞(5/11)で「競技者は未来を目指し,逆算して今やることを決めるが,今後の状況は大人にも誰にも分からない。あまり先のことは見ないで,とにかく今できることを繰り返していくことが大切だと思う」と言いました。入試のように期日が決まっているもの,今の先が読めない状況など,冷静に判断して,今できることを探していきましょう。

 6月には,毎日新聞(6/2)で,「早く行くなら一人で走れ。遠くに行くなら共に走れ」というアフリカのことわざが紹介されています。生き方として参考になります。ことがらによって,ギアを変えようということではないかと思います。

 7月には,サラメシと言う番組(7/14)で,女優の八千草薫の,「いつも楽しく。ちょっとだけ無理をして生きる。」ということばが紹介されました。長く続ける秘訣はこれだと思いました。

 8月には,第二波の最中だったと思いますが,前日銀総裁の白川方明(しらかわ まさあき)さんが,南日本新聞8/5「新型コロナと文明」というコラムの中で,「悲観主義は気分によるものであり楽観主義は意志によるものである」といっています。まさしく経済学者として,“Warm heart,cool head”を実践していることばです。気分に惑わされないように,冷静に対応していきましょう。

 新型コロナウイルスの影響で,注目が長続きしませんでしたが,「半沢直樹」(8/9)の「どんな会社にいても、どんな仕事をしていても、自分の仕事にプライドを持って、日々奮闘し、達成感を得ている人のことを本当の勝ち組というんじゃないかと、俺は思う。」というのは,その通りだと思いました。

 とはいえ,いつでもがんばれて,気力が十分なわけではありません。また,何かに追われっぱなしでは疲れてしまいます。NW2020.11.10号に載っていた,T・デューフーという人の「ボールを落としてもいい。」ということばはいいと思います。野球部の皆さんには勘違いしてほしくないんですが,「何もかも完璧しなくては」と思っている人はいませんか。「自分でハードルを上げすぎて」つらい人はいませんか。ちょっと立ち止まって,落としてもいいことがあるのではないかと考えてもいいという話です。私も少し楽になりました。

 今日は,私なりの前を見ながら振り返える方法を紹介しました。内容と共に自分を振り返る方法として参考にしてください。

 

 この冬は,私にとって伊集院での初めての冬です。この乾燥した寒さは,好きです。新型コロナウイルスへの対応とともに,私を試して,成長させてくれる感じがしています。

 3年生の皆さん。これからが勝負です。これまでの努力は絶対実ります。これからの勉強は,質も効果も驚くほど高いです。これから3ステージは上がります。絶対諦めないでください。

 冬になり,新型コロナウイルスへの警戒が,ますます必要です。マスクを徹底して,手洗いをし,換気をしましょう。いろいろ呼びかけられていますが,私は,毎朝の検温,マスク,手洗い,換気が,習慣化してきました。会話の時などに,大切な人に自分がうつしてしまう可能性があるのではないかと思いながら頑張っています。今自分ができることを続けましょう。

 そして最後になりますが,一番伝えたいことは,「休み明けに,また,この伊集院高校で,一緒に,勉強し,生活し,部活をしましょうとうことです。」そのために,心配なこと,聞きたいことなどがあれば遠慮なく,何でも相談してください。みんなで応援します。

 2021年の1月に,伊集院高校で,また会えることを願いながら,私の話を終わりにします。 以上です。

 

次に,生徒指導講話の内容です。

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 2学期は各自どうでしたか。2学期コロナ関連で色々ありましたが,全員が落ち着いて行動し,また大きな事故・ケガがなくて良かったです。皆が組織力を見せてくれて,見ていて頼もしかったし,嬉しかったです。

 ただ,すべてが二極化になっていませんか。駅や登校マナー,校内での携帯使用など,イメージできない人が増えていませんか。伊高生は素直な生徒ばかりです。考えて行動すべく,予測する力をもつことが実に大切と考えます。

 また,現在3年生にエールを送る意味でも,1・2年生は,3年生にお礼を込めて静かな雰囲気作りを心がけてください。

 冬季休業中を過ごすに当たって,以下の点について話します。

  ・気をつけて生活しなさい。(冬季休業中の心得から)

  ・可能な範囲で墓参りやお見舞い。

  ・冬休みも不要不急の外出,および3密を避けること。3学期も今までと同様に,登下校時や学校内でのマスク,手洗いうがい,消毒,換気等,感染予防対

          策をしっかりと取っていこう。

  ・皆の存在はとても大きく大切である。

 終わりに,冬休みに入りますが,こういう状況下だからこそ,伊集院高校の底力を見せましょう。全員が元気に1/8(金)の始業式に登校してくることを楽しみにしています。

 

最後に,進路指導講話の内容です。

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 おはようございます。進路指導部中村です。
 朝課外今日まででした。生徒の皆さん寒い中よく頑張りました。一年間の学校生活で中心に位置づけられている二学期が終わります。通常の学校行事が中止,変更が続いた一学期に比べ,二学期は通常の生活が取り戻されたと思います。皆さん勉強や部活動で成長を実感できたでしょうか?

 さて,新型コロナウイルスの感染拡大は皆さんの将来にも影響を及ぼしつつあります。新卒者の就職内定率の低下や非正規社員の雇い止め,低賃金の問題はここ2,3年続きそうです。また,AIやロボットの進歩は,非正規で働く人々の立場をますます危うくしていきます。さらにコロナウイルスは医療現場で働く人々の過酷な現状を明らかにしました。
 皆さんは将来の進路選択にあたり,今後の社会から求められる職業は何か,そして求められる能力は何かを十分に考え,大学・短大・専門学校あるいは就職という次のステージを決めなければならないわけです。三学期はそのための情報収集,保護者や先生方と十分に話し合い,3年生は具体的な進路を選択し,1,2年生は準備のための行動を起こす時期になります。

 次に各学年へのメッセージです。

 3年生は共通テストまであと三週間あまりと入試目前です。この時期の過去の先輩たちは自分の席に根を下ろしたように黙って模試や授業の教材の復習を暗くなるまでしていました。職員室や進路室には質問する生徒が次々と訪ねてきました。不安な気持ちなのでしょう,担任の先生に激励をもらうため相談に訪れる生徒もいました。3年生諸君,六月に進路講演会で「問題を解ききる,最後までやりきる」という話を聞いたのを覚えていますか?今やらねばならないことは曖昧な知識,理解を確実なものにしていく作業を受験の直前まで粘り強くやることです。結果が出てから悔やんでも遅いのです。最後まで粘りなさい。すでに進路が決まった生徒に流されて大切な気持ちを忘れていませんか?もう一つ受験の手続きに漏れはないですか?募集要項を隅々まで読み,ミスの無いようにしましょう。

 2年生は先日の合同ロングホームで話したとおり,三学期を3年0学期と位置づけ,受験のための行動を起こしましょう。担任の先生,保護者と進路について話し合い,自分の目標と現在の学力との差を理解し,重点教科に時間を注ぎましょう。部活も大事です。最後までやり抜いた体験が皆さんの気持ちを強くします。

 1年生は文理コースの選択を終え,模試結果等を通じて現在の学習の課題,重点的に頑張るべき教科を確認しましょう。得意教科ばかり勉強していませんか?授業に集中していますか?英語は毎日勉強していますか?バランスの取れた学力は進路選択の幅を広げます。もう一つ,総合的な学習の成果をしっかりまとめましょう。いろいろな大学のコンクールに応募するなど積極的な取り組みを期待しています。

 三学期が皆さんにとって飛躍の年のスタートとなることを祈ります。以上で進路指導の話を終わります。