公開日 2020年07月31日(Fri)
31日(金)の6時間目に,例年より一週間遅れの終業式が一斉放送で行われました。本日は校長先生の式辞全文を記載します。
こんにちは。梅雨が明けて本格的な夏になりました。そのような中,迎えることができました,1学期の終業式にあたり,3つ話をします。
1つ目は,生徒会役員の皆さんへです。これまでの西峯会長を中心とする生徒会役員の皆さん,ありがとうございます。携帯電話など,自分たちが動けば何かが動くという,生徒会役員としての経験を,これからの生活に大いに活かしてください。
また,認証式ができないまま,すでにいろいろな仕事に取り組んでいる,梅田会長を中心とする,新しい生徒会役員の皆さん,この1年よろしくお願いします。一緒に,よりよい伊集院高校をつくっていきましょう。
2つ目は,新型コロナウイルスに関することです。私が,何かあるときに,考える手がかりにするためにとる方法は,本を読むことです。
今年の冬から続く影響を受ける中で,今で言えば,カミュの『ペスト』です。この小説は,「不条理」に光を当て,どう向き合い,生きていけば良いのかを問うていると言われています。
今回,読み直してみて,神父さんの「ペストのもたらした光景を解釈しようとしてはならぬ,ただそこから学びうるものを学びとろうと努めるべきである」ということばに教えられました。
そこで,皆さん,この半年間の中で。人や出来事から,「学んだこと」を探し出してください。特に,1年生,ないときは,担任,教科,部活の先生,保護者,友人と話をしてみてください。頑張って,探し出してください。きっとあるはずです。これは,以前も話した,「前を向きながら振り返る」ということだと思います。
私でいえば,「大雨と関係するのですが,空振りを恐れず,早めに対応することは,ギリギリまで待ってから対応するよりも,次への対応がスムーズに行くということ」を学びました。
また,こんなときは,世の中を見る目を養う絶好のチャンスでもあります。なぜなら,いろいろな人の意見を聞くことができるからです。今,人同士の接触を減らす生活が勧められて,学校の休校や在宅勤務が行われています。それについても,「生(なま)のコミュニケーションが基本である」,「好きなように時間を使える」,「自分を律するのは難しい」,「分断が共鳴力を強めることもある」など,いろいろな意見があります。そこから自分で,「問いを立てる」ことができれば,研究のテーマになります。まさしく,そこには,「学び」があります。
とはいえ,3年生の皆さんは,振り返ってばかりではいられないかもしれません。そこで,聞きます。進路について,「本当に本気で思っていること」がありますか。10秒くらい考えてみてください。
私の場合,高3の夏の頃は,「東京に行きたい」が,「本当に本気で思っていること」でした。もっと具体的であれば,と思いますが,当時はそこまででした。人によって具体化の段階は違うかもしれませんが,高校3年生の夏に,「本当に本気で思っていること」は,必ず実現します。目標によっては,人よりも時間がかかる場合があるかもしれませんが,必ず実現します。もう勝負するしかありません。1秒,1ミリ,1枚を積み重ねていきましょう。
と,ここまで話をしてきましたが,3つ目です。まず,休めるときはしっかり休みましょうということです。しっかり休むとは,たとえば,休み明けに,友達や先生に,久しぶりに会ったときに,名前を思い出せないくらいしっかり休むということです。そして,一番伝えたいことは,休み明けに,また,この伊集院高校で,一緒に,勉強し,生活し,部活をしましょうということです。そのために,心配なこと,聞きたいことなどがあれば遠慮なく,何でも相談してください。
この夏も暑くなりそうです。夏を越えて,伊集院高校で,また,会えることを願いながら,私の話を終わりにします。以上です。