10/18(月)校長先生メッセージ(全校朝礼用)

公開日 2021年10月18日(Mon)

 先日の全校朝礼は表彰式がありました。

 今回は校長先生が準備されていた生徒のみなさんへのメッセージを紹介します。

 

 おはようございます。今日は,「世界とつながるツール」について話をします。

 今年のノーベル物理学賞を受賞した,真鍋淑郎さんは,「世界で最も多くコンピューターを使った男」と言われ,「日本人は他人に迷惑をかけないことを重んじるが,米国では何でも好きなことができる。研究にはコンピューターも好きなだけ使った。私は他人に合わせて生きる方ではない。」と言っています。といっても,コンピューターを使ったのは50年くらい前からの話です。今さらですが,コンピューターといえば,これからスマホは,生活に欠かせないものになると思います。ニュース・経済指標の確認,メール,読書,画像・動画の撮影,文書作成,天気・電車・バスの確認,音楽を聞く,買い物をするなどです。世界中にある,膨大なデータに自分でアクセスできるのです。これでも使える機能のほんの一部でしょう。また,今後ますます,いろいろな手続はスマホというか,デジタルが標準になるでしょう。

 新型コロナウイルスは,ワクチン接種の影響のためか先が見えてきましたが,今回デジタル面での遅れが指摘され,デジタル庁ができ,日本社会のデジタル化が進みます。時計の針を戻す余裕はないと思います。一方,スマホは,面白すぎるおもちゃでもあります。使い始めを間違うと,夢中になりすぎ,害がでます。見ては行けないサイトを見たり,ネットで人をからかったり・画像や動画を拡散したり,学校でゲームをしたり,技術的にできることと,していいことはまったく別です。このような,使うことによるリスク,悪影響はありますが,使わない理由にはなりません。

 あるメールマガジンを見ていたら,「数学」,「英語」,「コンピューター」を世界で通用するレベルにする必要があるそうです。何故か,これらの特徴を考えてみました。これらは,世界標準のルールに基づくツールになっていて,このルールに基づけば,世界中の人と協調・競争できるからだと思います。それぞれの国の言葉・文化・歴史は大切であり,大事にしていかなければなりませんが,それを守るためにも,「数学的思考」,「英語」,「コンピューター」は必要です。これらがなければ,世界の人々とコミュニケーションが成り立たず,協調・競争の場に立てないからです。

 この中で,「英語」は,地球上で,コミュ二ケーションのツールとして,多くの人が使っています。よく,何年も勉強して英語が話せないと嘆く人がいますが,日常的に英語を話す環境にないときに,うまく話せるはずがありません。必要ないからです。でも,英語を使わなくても生活できる今の日本社会というのは,ある意味では「ハンデ」を背負っていると考える必要はあります。どうすればいいかというと,伊集院高校でしっかり勉強して,高校2年で「英検準2級」,3年の「共通テスト6~7割」,「英検2級」をめざしましょう。

 僕は最近,自分の勉強を兼ねて,部屋の窓に「30秒立ち止まって英語の勉強」というシートを貼りました。そこで,「SDGs」を取り上げました。それは,「SDGs」が,2030年に向けて世界で取り組んでいる目標だからです。それを,「英語」×「SDGs」で学ぶことで,世界とつながるツールを2つ体感できると考えるからです。また,「コンピューター」×「英語」ということでいえば,スマホを使って英語の勉強も効率的にできます。生徒指導の前園先生に叱られるかもしれませんが,「最近,伊集院高校の生徒は,電車の中でスマホばかり見て,なんかブツブツ言っているので見てみたら,英語の勉強をしていた」なんていうのもありかもしれません。

 デジタル化によって,勉強も,個別最適化が進みます。学校の授業は,生徒の皆さん一人ひとりのことを考えながら進めていますが,グループ,クラスの分割が限界です。タブレットの快適度を上げる必要があります。それに加えて,一番使い慣れているみんなのスマホを利用しながら,勉強のデジタル化を進めることもできると思います。

 「数学的思考」×「英語」×「デジタル」×「SDGs」は,世界とつながるツールです。伊集院高校で生活しながら,いろいろ工夫して,世界とつながりながら勉強して,成長していきましょう。とはいえ,世界とつながるのは自分です。いつでも100%で動けるわけではありません。自分の状況をモニターして,そして,心配なことがあれば相談しながら動いてください。

 今日は以上です。